【BMOM117】増井裕次郎(3年=修道)8年ぶりの1部へ!導いたのは Mr.信頼感!

BeYonD 編集部

 

11月24日(土)、新関東リーグ1部昇格戦の明治大学Esperanza(以下:明治エスペランサ)と早稲田大学理工サッカー部(以下:早稲田理工)の試合がZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREAにて行われた。

二年連続での昇格戦に臨む明治エスペランサと、圧倒的な攻撃力で2部Bリーグを制した早稲田理工の一戦。
見事、8年ぶりとなる1部昇格を決めた早稲田理工のキャプテン増井裕次郎(3年=修道)をこの試合のBMOMとして選出したい。

46710016_759075517845195_5027492514001584128_o

キャプテンとして最終ラインからチームを鼓舞しつつ、打点の高いヘディングと、鋭い洞察力を武器に、明治エスペランサの攻撃の根を積み続けた彼。

4年生で唯一チームに復帰した松尾(4年=早稲田本庄)も「先輩方への恩返しがしたくて代表を引き受ける程、仁義の厚い熱い男で、戦略の立て方もうまく、絶対的に信頼を置ける男」と語っているように、仲間からの信頼がとても厚い。

46891314_759100317842715_4284990705446682624_o

(大事な一戦でもいつも通り「いっせのーせーやろうぜっ」とチームを盛り上げた松尾)

 

そんな増井が率いる早稲田理工は、2部Bリーグにおいての得失点差が+31.攻撃力の高さだけが注目されがちだが、リーグ全体で2点しか失点を許しておらず、守備力の高さも申し分ない。
彼抜きには、1部昇格を成し遂げることはできなかったといっても過言ではないだろう。

そんな彼に、まずはチーム結成当時のことについて聞いてみると、
「年間目標として新関東リーグ1部昇格、夏の目標はマガジン杯ベスト4、ビジョンとして5年以内にマガジン杯優勝、アットホーム杯優勝、新関東リーグ1部優勝を掲げていました。個人的には、新チーム始動当初は応援されるチームとは言えなかったので、みんなから応援されるチームになりたいと思っていました」
と語り、さすが歴史あるチームのキャプテン。人間力の高さがうかがえる一面を見せてくれた。

宣言通りマガジン杯では、早稲田大学稲穂キッカーズを退け大会3位と奮闘、リーグ戦へ向けて好調ぶりを見せていた早稲田理工。

そんな彼らのリーグ戦開幕前について聞いてみると
「8月の理工系カップ優勝、マガ杯で3位になれたことで大きな自信を得ることができました。なので新関東リーグ開幕前は、過信することなく謙虚に自分たちのサッカーを貫くことができれば、良い結果につながるだろうと思っていました。このチームを一部に昇格させたい気持ちは誰にも負けていなかったと思います」
と語り、昇格への強い気持ちがあったことを教えてくれた。

増井の想定通り、チームは開幕から好調。
最終節を残して早々に2部Bリーグ優勝を果たすこととなる。

そして迎えた試合当日については
「自分は緊張で少しそわそわしていました(笑)ただ、今までの積み重ねを出し切るだけだと思っていたので、アップもいつも通りの早理らしい良いアップができました。自分たちがしてきた選択や積み重ねてきたものが正しかったと証明するために、なんとしても勝ちたかったです。勝ったあとにみんなでボトルの水をかけ合う瞬間をイメージして良い準備をしました!」
と続け、昇格を決める瞬間が楽しみで仕方なかったことを教えてくれた。

 

そんな増井が率いる早稲田理工は、前半開始早々に先制点を挙げるも後半明治エスペランサに追いつかれ、延長戦へ突入することとなるのだが、その時の気持ちについて
「地力ではウチが優っていると思っていたので、最後は気持ちで負けないようにと周りに声をかけました。みんな後半の終盤くらいからかなり足がつっていたんですけど、今のメンバーなら乗り越えられると思っていました!」
と語り、予想外の展開にも動じない、ゆるぎない自信があったことを教えてくれた。

しかし、延長前半にまたもや早稲田理工を苦しめる事態が訪れる。
これまで早稲田理工の攻撃をけん引してきた7番大寺(3年=)がこの日二枚目のイエローカードで退場してしまったのだ。

それでも彼は当時のことについて
「彼の退場は想定内だったので自分でもびっくりするくらい冷静でした。なんなら6番ライアン(3年=日大習志野)あたりも退場して9人になるぐらいの想定はしてました(笑)」
また、
「10人でも焦れずに全体をコンパクトに保っていれば失点することはないと思っていたので、みんな集中できていたと思います。最初の時間だけ全員で我慢すればチャンスは必ず来ると思っていました!」
と続け、ここでも彼の信頼の厚さを裏付ける姿が垣間見えた。

 

その「必ず来るチャンス」は、延長後半7分に訪れる。
ライアンのFKに、早稲田理工の次期代表、19番武田(2年=土浦第一)が頭で合わせ、勝ち越しに成功したのだ。

「勝ち越した瞬間は嬉しすぎて叫びました!」

興奮した早稲田理工のベンチも、思わずグラウンドを駆け回る。

46789535_759080857844661_1348662362789380096_o

 

 

早稲田理工が2-1で延長戦を制し、1部昇格を決めた。
その瞬間について聞いてみると
「昇格が決まった瞬間は力が抜けました。先輩の代からの本当に念願の目標で、ここを目指してみんなで頑張ってきたので。ホイッスルがなった瞬間に、ベンチから喜びながら走ってくるチームメイトを見て涙が止まりませんでした。人生で初めて嬉し涙を流しました(笑)それくらい嬉しかったです!」
と喜びを爆発させてくれた。

46868053_759090551177025_2687055265500495872_o

そして最後に、昇格をつかみ取れた最高の一年間については
「新チーム始動してからの最初の半年間は、自分の力不足でチーム作りも上手く行かず、結果も全く出ませんでした。そんな苦しい状況の中でも、みんなが自分を信じてついてきてくれました。最後は「このチームやチームメイトへ恩返しがしたい」という気持ちが自分の中での原動力でした。最終的に結果も出て良かったです。一年間自分が代表をすることの意味を考えてきましたが、「この一年間楽しかった」「このチームを選んで良かった」と思ってくれる人が1人でも多くいれば、自分が代表をやってきた意味があるのかなと思います。

後輩たちには、少し羨ましいですけど1部のピッチを楽しんで欲しいです。ただ、この「一部昇格」には引退していった先輩方を含むたくさんの人の思いが込もっているということを忘れないで欲しいと思います。責任を持って次の世代へしっかり1部の舞台を継承していってください。昇格を果たし、日本一になる下準備はできたと思うので、日本一の夢は後輩たちに叶えてもらいたいです。最後に、この一年間自分が代表を全うできたのは、色々な方々に支えていただいたからだと思います。本当にありがとうございました!」
と語り、チーム作りの難しさやチームにかける思いのでかさを教えてくれた。

仲間を信じ、鼓舞し続けてきた増井。
そんな彼が率いた早稲田理工は来年度、新関東一部に舞い戻る。
武田をはじめとする次の世代が、どのようにチームを作り上げ、強者ぞろいの一部を盛り上げていくのかに注目したい。

早稲田大学 理工サッカー部のチームページ

Written by

BeYonD 編集部

beyond

BeYonD編集部です。

Keywords

Recommend

コラム 2017.06.08

【BMOM59】高橋昌樹(3年=暁星国際) 相手のロングボールを弾きに弾いたエアバトラー

先日行われた新関東カップ準々決勝。ベスト4への切符を懸けた一戦の地はZOZOPARK。早稲田大学HUMAN.F.C.(以下ヒューマン)は稲穂フェスタ王者中央大学フースバルクラブ(以下フースバル)を迎え…

read more BeYonD 編集部
コラム 2025.04.03

「新歓記事vol.2]新入生必見!慶應義塾大学サッカーサークル紹介!!

こんにちは、BeYond 編集部です。新歓チーム紹介2日目は、慶応義塾大学のサッカーサークルを紹介します。 慶應義塾大学入学後、部活ではなくサークルでサッカーを続けていきたいと思っている新入生は…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.11.17

【新関東リーグ2017・1部最終節】マッチプレビュー 激化する残留争いまとめ!

2017年11月18日 鹿島ハイツにて新関東リーグ最終節、全4試合が開催される。 本日までに全チーム6試合消化し、残すはあと1節となった。 現在優勝の可能性が残されているのは早稲田大学稲穂キッ…

read more 高橋佑輔
コラム 2017.03.12

新チーム始動インタビュー第5弾”明治大学生田蹴友会 吉崎光”

昨年明大カップ優勝、新関東リーグ1部昇格と華々しい結果を残した明治大学生田蹴友会。3年生が引退し新チームの旗揚げとなった生田の代表吉崎光(2年=八千代)と副代表の 小林賢正(2年=海星)の2人に話を聞…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.05.12

【関西サッカー同好会トーナメント】マッチプレビュー

関東では一足先にカップ戦が開幕しているが… 明日からは遂に、関西でも同好会トーナメントが開幕する。 気になるトーナメント表はこちら! 今年は大阪大学DACOTA、京都大学BONBERS、オチ…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.11.06

【新関東リーグ2017・2部B第4節ハイライト】4連勝の明治エスペランサが首位をガッチリとキープ

早稲田HUMAN – 日大理工 早稲田HUMANが前半早々から圧巻のゴールショーを見せる。前半2分、菰原(3年=熊本国府)のゴールを皮切りに前半だけで3得点と自慢の攻撃陣が火を吹く。後半に入りそ…

read more BeYonD 編集部
コラム 2018.10.23

【BMOM108】大沢 慶(2年=西武文理) at home cup 2018圧巻の無失点優勝の立役者!

10/6~10/8に鹿島ハイツで行われた年に一度の大会。 at home cup 2018。各学内戦を勝ち抜いた32チームが集い凌ぎを削るハイレベルな大会であり、JUFA公認の関東NO.1を決める大会…

read more BeYonD 編集部
コラム 2023.09.06

【マガハイ直前!】昨年度Best4サークルにインタビューvol2.

夏休みも後半戦に差し掛かってきたところではないでしょうか。どうもBeyond編集部です!いよいよ開幕を目前に控えた「第41回サッカーマガジンカップオープン大会2023(通称:マガハイ)」に向けて各サー…

read more BeYonD 編集部
コラム 2016.12.16

【同好会基礎情報Vol.4】早慶MARCHの頂点!圧倒的試合数をこなすUNION LEAGUEってなに?

【同好会基礎情報Vol. 4】 早慶MARCHが覇権を争う?!圧倒的な試合数をこなすUNION LEAGUEとは?   大学サッカー同好会カテゴリーの様々な大会・イベントな…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.04.14

【マネの技術Vol.2】プレイヤーに強烈なボールが当たってしまったときに使える技術〈応急処置編〉

猿も木から落ちるみたいな感じに、プレイヤーもボールにあたる!! すぐに復活して、いや大丈夫なんかい!という場合もあれば、 ちょ・・・無理待って・・・ となってて心配になっちゃうことも…

read more BeYonD 編集部

-PICKUP CIRCLE-