【BeYonD History vol.5】創設者が明かすビヨンド誕生秘話とサークル界への想い
大田智輝大学サッカーサークル・同好会情報を発信している私たちBeYonD(以下:ビヨンド)は今年度で7年目を迎えます!!突然ですが、そんな私たちビヨンドがどのようにして誕生したか気になりませんか??
今回のBeYonD Historyでは、ビヨンドの生みの親とも言える初代代表の森井さん(早稲田大学FC.GUSTA出身)、そして中心メンバーの1人であった安井さん(中央大学サッカー同好会出身)の2016年創設メンバー2人に迫ります。
今まで誰も知らなかったビヨンド誕生秘話から苦労話まで、当時のビヨンドでの活動を振り返ってもらうと共に、サッカーサークル界への熱い想いに迫りました。
サッカーサークルのイメージを変えたい
〜ビヨンドを立ち上げた経緯を教えてください。〜
森井)早稲田大学に入学した当初、実は体育会にチャレンジしていたんです。ランテストを無事クリアし、仮入部期間を過ごしていました。しかし、1週間経ち、自ら退部する道を選びました。テストをクリアすることが目的になっており、「なぜここでサッカーをやっているのか?」を見失ってしまって全くモチベーションが湧かなくなってしまったんです。せっかく大学に入ったんだから一回違う世界を見てみたいと思いました。
その後は高校の先輩の紹介もあって、FC.GUSTA(以下:グスタ)でサッカーを続けることにしました。当初は体育会からサークルへと移ったこともあり、「どうせサッカーもほどほどにやっている環境なんだろうな」とサークルのことを舐めていました。しかし、いざ入ってみると自分の想像以上にサッカーへの熱量があり、学生主体で規律のある組織であることに驚いたんです。そのまま魅了され、自分はどんどんとサッカーサークルに引き込まれていきました。
そうしてグスタで過ごしているうちに、サークルはただ遊んでいる組織でサッカーをちゃんとやりたい自分にとってはつまらないという先入観だけで、体育会に入れないとサッカーそのものを辞めてしまう人も見てきました。「外から見るサークル」と「内から見るサークル」の印象のギャップをなんとか変えて、サッカーが好きなはずなのに辞めてしまう人を減らしたいという思いが芽生え始めました。そこで2年生の12月頃に、自分のアルバイト先であったサークルの大会企画や合宿手配を行っているスポーツマネジメント株式会社(以下:スポマネ)の近藤さんに相談して、、何かサークル界のためにアクションしたいという話をしました。正直、当時は自分の立場を正当化したかったというのがあったかもしれません。
話し合いを進めていく中で浮かび上がったサッカーサークル界の課題としては、「サークルの情報がほとんど世の中に出ていない。」ことでした。もはやサークルに所属していても、他のチームのことはほとんどわからない状態でした。そもそも発信の文化がそこまでないことで、サークル外との印象のギャップが生まれてしまっているのだなと気づきました。
そこで、まずは「サークルの情報を発信する場を作ろう」となり、ウェブメディアとなる「BeYonD(以下:ビヨンド)」の企画がスタートしました。
そうして仲間集めを始めました。大学やサークル毎にそれぞれの色があり、それぞれの良さがあるので、沢山の人に声をかけました。その中で、大学サッカーサークルカテゴリー唯一のJFA公認大会である「アットホームカップ」の運営理事の学生代表であった安井と出会いました。彼のやっていること・目指していることと僕がビヨンドでやろうとしていることが一致していたので、意気投合し、一緒にやることになりました。
その他にも、同じ想いを持つメンバーが集まりました。意外にみんな裏では同じような思いを持っていて、びっくりしましたね。そして3年生の10月頃にスポマネさんの協賛のもと、ビヨンドのサイトが完成し、サークルの情報を発信する活動が本格的に始まっていきました。
【前列左:森井さん 後列中央:安井さん】
正解がないことの面白さ
〜サッカーサークルのどのような部分に良さを感じたのですか?〜
森井)「この世に正解なんて無い」ことを知ることができたことです。これまで中学・高校といわゆる体育会という組織に所属してきて、そこには「こうすべき」という正解があったり、従うべき制約が多くありました。一方サークルには、そもそもサッカーをしないで飲み会で活躍する人もいれば、たまにしか来ないで留学を志して頑張っている人もいる。色々な目的の人がサークルには所属していて、色々な生き方があり、正解は人それぞれである。それこそがサークルの良さであると感じました。
安井)実際にプレーはしていましたが、自分は飲み会やイベント側の人間でしたね(笑)。試合での勝利が絶対でないからこそ、全員にとっての正解を導き出して運営していくことは面白かったです。Jユースや強豪校出身、中学までしかサッカーをやっていない人など、様々なバックグラウンドを持った人がいる中で、練習メニューから試合のメンバー決めまで自分たちで決める面白さがありました。
〜実際に記事を書く際、意識していた点などはありますか?〜
森井)このサイトが立ち上がった10月頃は新関東リーグの時期真っ只中だったので、まずはその試合のレビュー記事を書き始めました。それだけではつまらないので、「コラム」というカテゴリーでサークルの魅力を発信していきました。当初はサークルに所属する美女マネやスパイク特集などを書いていましたね。
安井)あの時期は馬鹿みたいに記事書こうって話をしてたよね(笑)。取り敢えずPV数を稼ぐためにも1日で2、3記事出そうとか考えていました。まさにブラック労働でした。
森本)今振り返ってみると、美女マネやマネの想い、チーム特集など沢山の切り口でサークルの魅力を発信することを意識していましたね。取材を進めると、サークルそれぞれに色があり、本当に新鮮で面白かったです。
安井)SNSで拡散されることやGoogle検索で上位に出てくることを考えるよりも、まずは情報を蓄積しないとウェブメディアとして成り立たないと思っていました。最初はとにかく数を意識して、沢山記事を書こうと皆で動いていましたね。記事を企画する人とライターに分担もしていました。沢山企画した中からいいものを選んで、書いて、また企画して…このサイクルを高速で回していました。
【当時の取材風景】
〜苦労したことを教えてください。〜
森井)大きく分けて2つあり、メンバーのモチベーション管理は特に難しかったです。「記事を沢山書きたいです!」って人よりも「サークルのために何かやりたいです!」っていう人が当時は多かったんです。サイトを立ち上げた時期は、記事を多く書くことに注力していたので、記事を書くことに対して少し違和感を感じる人のモチベーションを上げることが難しかったですね。そこで自分が誰よりも記事を書き、背中で見せることを意識していました。また、何のために記事を書くのかを整理したり、記事はサッカーサークルの良さを多くの人に知ってもらう手段の1つであることを伝えていました。今振り返ると、よくこれだけでメンバーは記事を書いてくれたなと思いますね(笑)。
そして組織維持の為の資金管理にも苦労しました。試合記事の取材のために茨城県の鹿島ハイツや波崎へ遠征する際、当初はメンバーの自腹だったんです。どうにかして交通費だけでも支給できるように、たくさんの企業の方とお話しし、資金集めを行っていました。
安井)確かに資金集めは大変でしたね。何も分かっていない状態で、森井と企業のオフィスに突撃したこともありましたね(笑)。初めは活動資金が欲しいあまり、企業のために全くなっていない提案をしていました。
サッカーサークルに携わる人たちの為に
〜印象に残っている出来事などはありますか?〜
森井)当時の4年生メンバーだけで、1度話す機会を設けた時です。メンバー内でビヨンドの目指す世界に対する認識のズレが生じ、僕自身が「体育会よりサークルの方がいいよね」という狭い考え方になり始めていたんです。このままではまずいと思い、ビヨンドのビジョンから活動目的、そして存在意義まで改めて考え直す時間を作りました。
安井)その話し合いのお陰もあり、サークルに所属する人達の選択や活動に対する自己肯定感を高めることに貢献したいと思えるようになったんです。体育会を選択する人を応援することは勿論ですが、まずはサークルそのものに目を向けようと意識しました。
森井)体育会と比べるものではなく、サークルにはサークルの良さがある。サークルに携わっている人たちを幸せにするために活動していこうと改めて思うようになりましたね。
〜何故ここまで熱量を持って取り組めたのですか?〜
森井)モチベーションの源泉としては、「自分の身の回りの人が幸せになってほしい」という想いでした。自分自身がサッカーサークルにお世話になったからこそ、サッカーサークル界がより良くなってほしい。そして、ビヨンドに所属するメンバーがやりがいを持てる場所を作りたい。周りの仲間の為にという気持ちがとにかく強かったですね。
安井)確かに当時のメンバーはモチベーション高かったですね(笑)。自分の時間やお金を惜しむことなく、ビヨンドのため、サッカーサークル界のために動いていたと思います。
個人的には、単純に活動が面白いというのもモチベーションでした。記事のアイデア出しなどから、ベンチャー企業を招待したフットサル大会の企画・運営など。何から何まで初めてのことで新鮮な日々でした。またビヨンドがきっかけで、サークル間のコミュニケーションが増えたことは素直に嬉しかったです。
社会との架け橋になれる組織へ
〜今後のビヨンドに向けてのコメントを是非お願いします。〜
安井)まずはここまでよく続いたなと、素直に思います。自分たちの託したバトンが下の世代へと引き継がれていくことはやっぱり嬉しいです。活動に関しては、記事を書くことが作業にはならないで欲しいですね。何故この記事を書いているのかなど目的を忘れないことが大事になってくるのではと思います。サークルらしい記事や面白い記事も沢山上がっているので、1人のユーザーとして楽しみにさしてもらってます!
森井)ここまで続けてもらっていることに感謝しかないですね。インスタグラムや記事を実際に見ているのですが、色々なチャレンジをしていて良いなと思ってます。
1つ伝えたいこととしては、サークル内に留まらないことを意識して欲しいです。まさに「beyond サークル」を実践して欲しいです。社会との接点を持つ記事や企画を増やすことができると、ビヨンド、サッカーサークル界がより発展していくのでは思います。
安井)確かにウェブメディアだけに留まらないで欲しいですね。情報を提供して、サークル同士の繋がりを作るということを今やっていると思いますが、本質的にサークル界で困っていることは他にもあると思うんです。活動資金が少なかったり、練習場が土であったりと。記事を書いているだけの組織にはならず、沢山のことに挑戦してくことを願っています。
森井)サークルと社会、サークルに所属する大学生と社会など、サッカーサークルに関わること全てと社会の架け橋になって欲しいです。また、社会に出てみると、知らないことが沢山あります。「自分の生きている世界がいかに狭く、世界を広げることがどれだけ面白いか」に気づくきっかけを皆に与えられるそんな組織になってほしいです。
社会にはサッカーサークルのOBOGが本当にたくさんいますし、サッカーサークルファミリーとして協力できることはたくさんしたいです!これからも応援しています!
【インタビューの様子】
左下:丸山(昨年度代表) 右上:大田(今年度代表)の2名で参加
2022年度で7年目を迎えるビヨンド。今年度はより一層サッカーサークル内に留まることなく、様々なことにチャレンジしていきます。今年度もよろしくお願いいたします。
Written by
大田智輝
Tomoki.O
Keywords
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