【チームの根vol.7】”つなぎ役” World Cup Kickers 屋久凌馬(4年=市立浦和)

BeYonD 編集部

チームの根第7弾は、ユニオンリーグから初参戦の早稲田大学World Cup Kickers(以下:ワールド)。ユニオンリーグの強豪を会計兼副キャプテンとしてチームを支えた男を取材した。

早稲田大学World Cup Kickers

屋久凌馬(4年=市立浦和)

img_0541

--まずは1,2年次を振り返って貰った。
『なぜワールドにしたかって言うと、元々高校までガッツリサッカーをやっていて、部活には入らないって決めていて、まぁサークルでやるんだろうなって思いがあった。新関東のチームとも悩んでたけど、新関東のイメージが土日に試合があって、練習ガッツリやるって言う高校時代の生活リズムとあんまり変わらないのかなって言うのを抱いていて。ユニオンは平日しかないし、他にも時間を使えるし、サッカーをやりたいときはガッツリやれる。それで高校の先輩もいたってことでワールドを選んだ。あともう1つはワールドの人柄が本当によかったな』と語った。

 

彼は就活を始めるとうの昔から、人の良さと言うものを身に感じていたのだ。
ユニオンリーグは前後期にそれぞれリーグ、年を通じてのカップ戦がある。

 

ワールドは自称少数精鋭を謳っているそうで、人数もそこまで多くはなく、参加率の高かった屋久は一年生の頃から試合に出て、リーグ戦で優勝も経験している。

 

『入ってみて思ったのは、思ったより全然レベルが高かった。ワールド自体もそうだけど、ユニオンリーグのレベルも高くて、サッカーの楽しさって所も申し分なかった』

 

同好会カテゴリーのレベルの高さに驚きながらも、サッカーを楽しめていたようだ。当初、彼がサークルを選ぶ基準としていたものを十分に満たしたのではないだろうか。

 

img_0543
--2年次の夏に幹部を引き継ぐ。

 

『ウチのサークルってちょっと特殊で、プレーヤーもインカレっちゃインカレで。入ってるやつの友達でくすぶってる他大学のやつも入ったりする。そう言うのもあって、俺らの代のプレーヤーは早稲田生が4人しかいなくて。でも幹部は早稲田がいいよねってなった。それで俺は上とも下とも良く絡みがあったし、一年生からガッツリサッカーもやっていたから会計兼副キャプテンになった』

 

こうして屋久の代の幹部学年がスタートした。
会計、そして副キャプテンとして辛かったことを聞いて見た。

 

『サッカーの面でいうと、サークルってやっぱり強制じゃないから、うまいけどあんまり来てくれない人をどう呼ぶかとか、たくさん来てくれるんだけど、試合に勝ちたいって時に出してあげられない人とかの葛藤とかは難しかったかな』

 

少数なサークルの分、一人一人との距離が近い故に、大規模なサークルよりもより難しい部分かもしれない。

 

運営面では、自分はあまり辛い思いをしなかったという。
『その分、幹事長が辛かったと思う。だから自分はそのサポートかな。幹事長はあんまり自分の頑張りとかを見せないタイプで結構批判とかが集まっちゃうんだけど、そこの誤解を解いたり。あとはキャプテンも結構サッカーに熱があるタイプだったから、自分はあんまり出れてない子のサポートをしてたかな』

 

謙遜しながらも、どちらに重点も置かず、常にチームのつなぎ役として自分の役割を全うしてたように思えた。
群雄割拠の早稲田では、新歓で新戦力を迎えるのは至難のように思え、そこではどのようにチームを売るかも大事なことだろう。

 

『やっぱりワールドって人で売ってる部分が多かったから、新歓の時にも嘘はつかず正直に話してた。入ってあんまり合わない見たいのは勿体無いしさせたくなかった。もっとキラキラできるサークルもあるかもしれないし、試合にもあんまり出られないかもしれないっていうのは正直に伝えてた。それでも入ってくれた子は今でも続けてるし、正解だったのかなとは思う』

 

屋久がサークルを決めた大きな要因の人柄という部分を、自分が勧誘する立場でも売りにした。目には見えない伝統をつなぎ役として上から下へ受け継いだのだ。
また、『試合とか合宿とかイベントとかに参加して当たり前って思ったらおしまいと思ってて、そこでは必ず来てくれてありがとうって声かけは欠かさないようにはしてたかな』

 

小さな声かけを絶やさずに、プレーヤー、マネージャー誰に対しても感謝を持って接し続けた。まさに”人のワールド”を体現していたのだろう。

 

彼の”つなぎ役”としての活躍もあったのだろう。入部当初に比べ、ワールドの部員は倍近くの人数にもなっているという。

img_0540

--最後にワールド入ってよかったことを聞いた。

 

『普段の合宿は宴会とかもあって普通に盛り上がるんだけど、グアムチャンピオンシップに出た時は周りも強いチームばっかりで、宴会もできなかったからちょっと不安だった。だけどお酒とかもなしでも泊まり込みの合宿をめちゃくちゃ楽しめて、いつの間にかそういう仲間が出来てたんだなって思った。だからそういう仲間が出来たことがやっぱりワールドに入って1番よかったことかな。その時優勝した中大同好会にも勝って実質優勝見たいのも味わえたし(笑)』
就活終わりたての取材となり少し就活を匂わせることも言っていたが、彼がサークルを決めたきっかけを常に信条のように大切にし、幹部間だけでなく、大きな組織のつなぎ役として、より大きなサークルに成長させることができたのではないのだろうか。

 

四年生として、ユニオンリーグには参加するつもりはないがイベントには参加するようだ。
彼が見守る中で、つなぎ役として1つにまとめあげたワールドが悲願のユニオンリーグ制覇を果たすのを期待しよう。

早稲田大学 WorldCupKickersのチームページ

Written by

BeYonD 編集部

beyond

BeYonD編集部です。

Keywords

Recommend

コラム 2018.07.07

【BMOM103】見崎大地(3年=狭山ヶ丘)意地の2連続PKストップ!

7月7日に東戸塚フットボールパークで行われた、明治学院学内戦決勝は白金FC.C vs 白金FC.D。白金FC同士の一戦となった。 30度を超え、給水タイムが設けられるほどの暑さ。その中、試合をよ…

read more BeYonD 編集部
コラム 2019.10.20

【新関東リーグ2019・1部第2節マッチハイライト】運命を分けた第2戦の行方は!

10月27日、新関東リーグ2019 1部 第2節が行なわれた。 第1節に続き、鹿島ハイツでの開催となり、天候にも恵まれベストコンディションでの戦いとなった。   1試合目の…

read more BeYonD 編集部
コラム 2020.08.31

【BeYonD History vol.3】BeYonDのお調子者・高木啓行

普段は中の人が見えないBeYonDのこれまでとこれからを紐解いていく、BeYonD Historyが1年ぶりの復活です!! BeYonD History vol.1とBeYonD History…

read more BeYonD 編集部
コラム 2018.02.01

【2/16(金)開催!】株式会社Criacao×BeYonDコラボの”就活解禁前最後の”自己分析セミナー開催決定!

みなさんご無沙汰しております!! 最近全く更新ができておらず申し訳ありません!! 今はテストが終わって春休みを満喫している人が多いでしょうか! そろそろ始まる学内戦に向け新チームを仕上げてい…

read more BeYonD 編集部
コラム 2016.11.02

【美女マネ特集vol.3】第3弾は同好会カテゴリー随一のスタイリッシュ集団、あのチームのマネ!

おひさしぶりです。   先日の第2回記事も、相変わらずものすごい反響でした。   この初期段階で何千人という規模の方が見ていることに驚きが隠せません。 …

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.04.26

【Guam Championship決勝戦】フォトギャラリー

12番天下谷(3年=実践学園)が先制ゴールを挙げ、歓喜のLiberteイレブン 東洋Liberteは同点に追いつかれるも、長身を生かした16番西岡(3年=東久留米総合)がドンピシ…

read more BeYonD 編集部
コラム 2022.01.26

【マネ長対談vol.2】"コロナ禍×サークル活動"マネージャー長が思うこと

第二弾となる今回の "マネ長対談" では、 3年間のサークル活動をやり切った3名のマネージャー長に チームをまとめることの難しさややりがいについて伺いました。   中…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.05.26

【BMOM44】柴田拓海(3年=東山) “攻守に躍動したCRACKSの頼れるキャプテン”

【関西同好会トーナメント1回戦】 立命館大学FC.CRACKS(以下CRACKS) vs 立命館大学 FC原谷(以下原谷) 奇しくも立命館ダービーとなったこの一戦のヒーローは紛れもなくCR…

read more BeYonD 編集部
コラム 2022.07.14

体育会でも、サークルでもない。新たな選択肢を体現するFC GRAN SUMAとは。

体育会サッカー部でも、サッカーサークルでもない。神奈川県社会人リーグ3部に大学生のみで参戦するFC GRAN SUMA。 「2年連続で惜しくも2部昇格を逃し、何としても今年は昇格を決めたい。」そう語…

read more 大田智輝
コラム 2019.06.03

【BMOM130】石井 諒太郎(三年=日大習志野)チームの愛され大バカ者が値千金の先制点!

2019年5月25日新関東カップ第3回戦が行われた。カードは立教愛好会(以下:立愛)vs早稲田大学HUMAN.FC(以下:ヒューマン)。ヒューマンは2戦目、立愛はシードもありこの試合がチームとしては初…

read more BeYonD 編集部

-PICKUP CIRCLE-