【マガ杯2025・決勝】雨中の激闘!青春を捧げた夏に早稲田HUMANが悲願の初優勝!
日比野洵RESULTS
マガジンカップ2025決勝
HUMAN F.C.
三ツ葉キッカーズ
大会最終日。雨の降りしきる肌寒い気候の中、決勝戦が行われた。数々の激闘の末、決勝に駒を進めたのは早稲田大学HUMAN.FC A(以下:ヒューマン)と同志社大学三ツ葉キッカーズA(以下:三ツ葉)の2チーム。ヒューマンは中央フースバルや稲穂、三ツ葉は早理や明治学院白金FCなどいずれもトーナメントでは優勝候補を撃破して決勝まで勝ち上がっており、大会を通してさらに力をつけてきた両チームによる一戦となった。また、両チームともにマガ杯の優勝経験はなく、この試合でどちらが初優勝の栄冠を掴むのかにも非常に注目が集まった。
【ヒューマンスターティングメンバー】
【三ツ葉スターティングメンバー】
前半
雨で濡れたスリッピーなピッチを生かし、序盤から両チーム早い展開でパスを繋ぎゴールに迫る。三ツ葉はボランチのキャプテン7番山﨑翔生(3年=生野)と10番井幡陸(3年=洛北)を中心に、高い個人技で細かくボールを繋いでチャンスを伺う。一方ヒューマンはCBの4番小嶋健聖(3年=名古屋U18)と5番細川祐悟(3年=國學院久我山)や、ボランチの14番鈴木朝陽(3年=八千代)を中心とした強度の高い守備で相手の攻撃を跳ね返し前線の強力FW陣のカウンターアタックでゴールを目指す。
最初にスコアを動かしたのはヒューマンだった。20分、左サイドからの高いアーリークロスに右MF45番横井葵(1年=市立浦和)が反応、一度は三ツ葉GKが反応するもキャッチしきれず、混戦となったところで中で待っていた51番市原涼太郎(2年=茨城)こぼれ球を押し込み先制。初優勝に向け貴重な先制点を奪った。大会を通して勝負強さを幾度となく見せてきた2年生エースがこの大舞台でも最高の仕事をやってのけた。
勢いに乗るヒューマンはその後もFW29番井料成輝(2年=國学院久我山)が独特リズムのドリブルで相手を翻弄しチャンスを演出するも、大きなチャンスには至らない。
対する三ツ葉は最終ラインから丁寧に華麗にパスをつないで相手ゴールに攻めるが、ヒューマン守備陣の集中した守りをこじ開けられず、シュートを打つことができない。前半はこのまま1-0で折り返す。
後半
何としても追いつきたい三ツ葉は、怪我の影響でスタメンを外れていたエース11番大島羽瑠(3年=東海大仰星)を投入し一気に攻勢をかける。大島によるスピードに乗ったカウンターと、ミドルシュートにより徐々にペースを取り戻すと、後半12分再びスコアが動く。
三ツ葉GKからのロングボールを前線で大島がポストプレーで落とす、これを9番中暖斗(1年=雲雀丘学園)が反応、豪快なボレーシュートを右隅に突き刺し同点に追いつく。今大会再注目のルーキーがチームを救う貴重な同点弾をたたき出した。
このゴールで息を吹き返した三ツ葉は、前線に人数をかけ一気に逆転を狙うも、ヒューマンの集中したDFがゴールを阻む。対するヒューマンもビックチャンスを迎える。中央から右サイドへ展開しサイドを崩して中にグラウンダーのクロスを上げると最後は68番林龍佑(2年=帝京安積)がフリーでシュートを放つも惜しくもゴール左に外れた。
一進一退の攻防が繰り広げられたまま60分がタイムアップ。ゲームは1-1のまま延長戦に突入した。
延長
延長前半開始早々、再びゲームが動く。2分、相手DFのキーパーへのバックパスが短くなったところを見逃さなかったヒューマン29番井料がボールに追いつくと、キーパーと接触しPKを獲得。このPKを51番市原が右隅に蹴ったボールに一度はファイセーブで止められるも、こぼれ玉に素早く反応した45番横井が拾い豪快に叩き込んで勝ち越しに成功する。ヒューマンの大応援団と喜びを分かち合った。
(得点を決めた横井と井料)
さらに勢いが止まらないヒューマンはゴール前のフリーキックの流れから右からファーを狙ったシュートを放つ。三ツ葉GKが弾いたところをまたも51番市川が詰めて3点目を奪った。追いすがる三ツ葉の心を折る大きな大きな追加点となった。最後まであきらめない三ツ葉も前線に人数をかけロングボールをゴール前に入れるも、最後までヒューマンの強度は落ちず、ことごとくシャットアウトしつづけた。
その後は2点をリードしたヒューマンが試合巧者ぶりを見せつけた。途中出場の10番辻奏楽(3年=駒澤大高)の体を張ったボールキープでうまく時計の針を進めそのままタイムアップ。
延長にまで入った80分間の死闘は3-1でヒューマンが勝利しマガジン杯初優勝を決めた。
(初優勝の瞬間、ピッチになだれ込むベンチ外メンバー)
敗れた三ツ葉はここまで優勝候補をなぎ倒して満を持しての決勝戦だったが、2年前と同じ準優勝に終わった。
おわりに
延長に入る激闘の末、強度と集中力を最後まで落とさなかったHUMANに軍配が上がった。マガジン杯初の決勝進出にして初優勝を決めたHUMANが新関東リーグでどのような成績を残すかも期待大である。敗れた三ツ葉は中央サカ同に敗れ優勝を逃した2年前の雪辱を晴らすことはできず。来年以降のリベンジに期待である。
Written by
日比野洵
JUN
Keywords
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