【マネの想いvol.8】"無冠の代とは言わせない"
BeYonD 編集部–稲穂キッカーズ(以下稲穂)は練習がすごく厳しいことで有名ですよね。
週3回、午前に2時間練習します。早いときは8時から。2時間集中して練習を行います。遅刻は絶対にだめで、1年時からプレマネ関係なく冠婚葬祭以外の欠席は授業以外認められていません。なので、理工学部だと1年のとき1回も練習に来れない人もいるんですが、3年間続けたプレもいました。そして、試合に出る条件として、試合前の1週間全ての練習に参加するっていう決まりがあるので、他のサークルと比べると厳しいかもしれません。
–ご自身からみた稲穂の印象はどうですか?
入りたてのときは、キラキラしてるなぁって感じだったんですが、慣れてくると、キラキラしたTHE大学生のサークルっていう感じではないなぁと(笑)
–周りからの稲穂の印象はどうだと感じていますか?
サッカーをしっかりやっているチームのマネということから、稲穂なんだすごいねって声もあれば、なんで稲穂なのという声、新歓ではいや稲穂はちょっとついていけないです、みたいに嫌煙されるような声もありました。
–マネージャーの仕事にはどのようなものがありましたか?
学年で分かれているのですが、1年はボトルを決められた位置に常にいっぱいにして置いておくこと、合宿のときの洗濯、2年はボール拾いと1マネのサポート、3年はスコアとタイムキーパー、合宿のときの物品補充、全学年に共通するのは声を出すこと。夏過ぎから3年の仕事は2年に引き継がれていきます。あと、毎練習後のマネーミーティング。練習を振り返って、ちょっと声出てなかったんじゃないかな、とか、雰囲気ゆるかったんじゃないかな、っていうのを伝えます。でも、厳しさだけを追求するのではなく、その根底にはマネとしてお楽しさっていうのが絶対にないといけないと思っていました。それを崩すと、マネがいなくなっちゃうし。
–マネージャーをする上で心がけていたことはなんですか?
私たちの代の人数が少ないっていうのがあったので、マネから雰囲気をつくっていこうっていうのがありました。試合のときの応援ではマネから率先して声を出していくとか。あと、全体で話し合いがあったときに、プレも、俺らの代は人数が少ないからプレマネみんなでやっていくしかない、だから思うことがあったらマネもプレに言ってって言ってくれていたので、プレにも今日ちょっと雰囲気ゆるくない?って伝えたり。マネは直接的に試合に関われないから、できることは雰囲気作りくらいかなぁと思っていました。
–去年の稲穂は相当強かったですよね。
早稲田大学の学内戦優勝、新関東FLのカップ戦(以下カップ戦)優勝して、マガジンカップ(以下マガハイ)は準優勝、アットホームの本大会優勝、新関東FLのリーグ戦(以下リーグ戦)優勝でした。
–稲穂の目標はどのようなものでしたか?
三冠日本一。カップ戦、マガハイ、リーグ戦の三冠とリーグ戦のあとの東西交流戦で日本一を獲ること。結果は、二冠日本一でした。
–1年間を振り返ってみてどう思いますか?
マガハイの準優勝っていうのは相当ダメージが大きかったです。準決勝で同志社大学三ツ葉キッカーズにPK戦でギリギリのところで勝利したことの喜びが大きくて。慢心といいますか、決勝いけちゃったよっていう気持ちがあって、全体としてそういう空気感になってしまってたんだと思います。当時はその自覚はなかったんですが、今振り返るとそうだったのかなって。私たちの代は、たくさんスター選手がいるわけではなくて強いわけではなかったので、先輩たちからはずっと「無冠の代」と言われていました。それに対する悔しさとか見返してやる、負けたくないって気持ちがしぬほどあって、それは大きな原動力になっていました。後輩たちのおかげもあって、ここまで結果を出すことができたのではないかと思います。
–1年間で一番印象に残ったことはなんですか?
マガハイの決勝で負けたことです。
–勝ったところではなく、負けたところ?
はい。勝ったら二冠目のところで負けてしまって、当時の3年はみんな泣き崩れたんですが、きっと公式戦で稲穂が負けるのを初めて見た当時の1年生が呆然と立っていた光景がとても印象的です。そこから、もう負けたんだから俺らは強くないって言い聞かせてそれがバネになりました。でも、フースバルは強かったし、人数が多くて応援がすごかった。
–後悔していることはありますか?
ありません。
–後輩に伝えたいことはありますか?
何も言わなくてもいいかなって思うんですが、本気でサッカーに取り組む期間は限られてて、今のこの時期にしかできないと思うので、そういったサッカーができる恵まれた環境があることに感謝しつつ、余計なことは考えずに楽しんでほしいなって思います。
–あなたにとって稲穂とは?
成長できた場所。これからの生き方を教えてくれた場所。
圧倒的王者稲穂キッカーズ。強かった。怖かった。多くの記録を残し、皆の記憶に残す伝説的なチームだった。数々のタイトルを手にするも、マネージャーが1年間で1番印象に残ったのは負けたところと言う。これが、強かった理由かもしれない。そして、当たり前に強いと思われていた稲穂が、「無冠の代」から「二冠日本一」までのぼりつめたその裏には、マネージャーの、プレイヤーと変わらない熱い想いと考動力があった。去年共に戦い抜き、同じ景色を見たプレイヤーとマネージャーは、今年、どのような稲穂キッカーズをつくるのか。プレッシャーもあるかもしれないが、君たちにしかないものを背負って、勝っていってほしい。
Written by
BeYonD 編集部
beyond
BeYonD編集部です。
Keywords
Recommend
【BMOM40】千葉光輔(3年=上尾)ピッチ上を駆け回るひと際目立つ男の1発で試合を決定づける。
5/20に行われた新関東カップ2回戦、日本大学理工学部サッカー部(以下日理)vs東京大学駒場FC(以下駒場)は2-0で日理が勝利し、3回戦へ駒を進めた。 気温は28度、天然芝の照り返しも考えると…
read more BeYonD 編集部【BMOM17】八木俊輔(1年) 新生TRIOSの守護神が三ツ葉の猛攻を完封
謙虚なニュースターの誕生 関西同好会リーグ最終節、同志社大学三ツ葉キッカーズと関西大学TRIOSとの一戦。春の王者TRIOSには負けられない意地があった。押される場面も少なくない…
read more BeYonD 編集部【新関東リーグ2017・1部第2節】立教愛好会、明治体同連が2連勝!全4試合をハイライト!
10月21日、鹿島ハイツ第5グラウンドで1部第2節の全4試合が行われた。前節に引き続き雨の中での試合となったが、1部独特の熱気と雰囲気で悪天候を感じさせないゲームとなった。 前節明治生田戦で完勝…
read more BeYonD 編集部【BMOM74】ユニオンカップ3連覇に大きく貢献したスーパーサブ。その男とは一体何者だ!
ユニオンカップ決勝戦が9月22日に行われた。決勝戦まで駒を進めたのが早稲田大学水曜サッカー会(以下:水曜)と同じく早稲田大学CHUTAR(以下:CHUTAR)であった。 試合は2-1で水曜がCHUT…
read more BeYonD 編集部【キャプテン特集】全員が入って良かったと思えるサークルへ
みなさんこんにちは! リーグ戦も始まり、ほとんどのチームがあと約1か月で3年生が引退してしまいます。 そんな中、今年2部から昇格しノリに乗っている 立教サッカー愛好会主将(以下:立愛) …
read more BeYonD 編集部【BMOM46】伊藤貴紀(1年=座間) 強心臓ルーキーの1発が試合を決める
新関東カップ2017の2回戦、明治大学ESPERANZAと明治学院大学白金FCが対決した。 猛暑の中で試合は拮抗し、両チームスコアレスのままPK戦に突入するかと思われたが、試合終了直前のところで1人…
read more BeYonD 編集部【新歓記事vol.6】中央大学新入生必見!中大サッカーサークル比較してみました!!
本日は、近年のサークルサッカー界を牽引しているともいえる中央大学のサッカーサークルを紹介する! 2年連続で全国制覇を成し遂げたチームから去年発足したばかりのチームなど計5チームを紹介していく! …
read more 西田祥人【美女マネ特集vol.13】第13回はミス〇〇リンピックにも選ばれたあのチームのマネ!
こんにちは! 夏は暑がり、冬は寒がり、好きな国旗はハンガリーでお馴染みの美女マネです!! 最近非常に寒いですね~。 &nb…
read more BeYonD 編集部【BMOM 68】桐ヶ谷拓実(3年=久喜北陽) 安定したセービングで2連覇を達成!!
8月11日、アットホームカップ文教大学学内戦決勝が文教大学第三グラウンドにて行われた。 2年連続アットホームカップ本大会出場権獲得を目指す文教大学Flip F.C.(以下:Flip)は、文教大学…
read more BeYonD 編集部社会人からみたサッカーサークルの価値~マネ編~
はじめに こんにちは~!BeYonD編集部です💛 新歓期間も終わり、新体制にも慣れてきた頃ではないでしょうか。 今回は元サッカーサークルのマネージャーで、現在社会人2年目の方にインタビュ…
read more 工藤 紗英


