体育会でも、サークルでもない。新たな選択肢を体現するFC GRAN SUMAとは。

大田智輝

体育会サッカー部でも、サッカーサークルでもない。神奈川県社会人リーグ3部に大学生のみで参戦するFC GRAN SUMA。
「2年連続で惜しくも2部昇格を逃し、何としても今年は昇格を決めたい。」そう語ってくれたのは、2022年度代表兼選手の中野翔太。学生運営のやりがい、そして苦悩に迫りました。

FC GRAN SUMA(以下:グランスーマ)は2018年10月創設した神奈川県横浜市を拠点とする大学生限定のサッカークラブチームです。2020-2021シーズンより神奈川県社会人サッカーリーグ3部に参入を果たしました。『大学サッカー界に革命を』のスローガンを掲げ、学生スポーツの振興を目的に学生の為のより良いスポーツ環境の確立を目指しております。特に我々は学生スポーツ振興の上で重要な鍵を握るキャリア支援の充実に重点を置き、学生がスポーツ・サッカーを社会の架け橋にできるクラブチームを目指します。【HPより】

 

グランスーマとの出会い

-中野さんが加入を決めた経緯を教えてください。

自分の所属していた横浜創英高校サッカー部はスポーツ推薦で大学進学を決める同期が多い中で、自分は理系の学部に進みたいと思っていました。監督に理系学部に進みたいと伝えた際、理系でスポーツ推薦はあまり聞いたことがないと言われ、自力で進学するしかないのかなと思い受験勉強を始めました。

最終的に進学を決めた麻布大学に体育会サッカー部はあるのですが、自分の求めていた活動内容やレベル感とは少し差があったので、一旦社会人チームを探してみようとなったんです。

グランスーマには中学時代同じチームに所属していた長谷川涼平(今年度監督兼選手)が自分より少し先に所属していました。運営も自分達でできる点に魅力を感じ、一度練習体験に行きすぐに入団を決意しました。

 

-サークルで続けるという選択肢はありましたか?

サークル自体も自分の大学ではあまり盛んではなかったですね。サッカーを続けるなら明確な目標が欲しかったですし、それなりのレベル感を求めていたものがありました。
勿論真剣にサッカーをやっているとは思いますが、コロナ関係で大学関連の試合開催の見通しが経っていなかった一方で、社会人リーグなら試合が行えるということも相まってグランスーマを選びましたね。

学生運営のやりがいと苦悩

-学生運営って実際にどんなことをしているんですか?

営業部、分析部、施設部、広報部、企画部のどれか一つにメンバーは所属する形をとっています。自分自身、最初の2年間では企画部と営業部を所属していました。企画部でいうと、新加入選手の発表やシーズン始まりに新体制発表会を企画したり、ボランティア活動を探してくるといったことをしていました。

営業部はその名前の通り、協賛して頂ける企業を探して実際にプレゼンしたりという感じですね。

【ボランティア活動の一環で参加したビーリクリーン】

-学生運営のやりがいを感じた瞬間はどんな時ですか?

学生のみで試合に勝利した時などサッカーでのやりがいはもちろんあります。それだけではなく、サッカー以外の面で自分達で試行錯誤し時間の掛けた過程そのものがやりがいでもあるのかなと思います。例えば企業に営業をする際も、プレゼンの練習を丁寧に行ったり、皆で役割を分担して協力したりと、準備する過程が楽しいですね。

 

-逆に苦労している点はありますか?

正直一番苦労しているのは、メンバー集めです。大学4年生になるタイミングで辞めてしまったり、途中で他チームに移籍してしまう選手もいますし、難しい点ですね。今は毎月数千円程月謝を集め、グラウンド代といった活動資金に充てているのですが、やはりメンバーが少なくなってしまうと大変な部分がありますね。

少しでもグラウンド代を抑えるためにも、公営グラウンドを積極的に利用するように工夫したりもしてますね。また、練習試合を組めると折半で費用を抑えるだけでなく、より実践に近い場でプレーすることもできるので沢山のチームにお声掛けしています。

 

今年度にかける思い

-監督が学生という点の難しさはありますか?

強制力が弱くなってしまう点ですかね。年齢も近い同じ学生が意見しても、また言ってるよと流されがちになってしまうこともあると思うんです。

自分は2年生だった去年からキャプテンを務めているので、試合中にはうまくバランスを見ながら周りを動かして何とかしていますね。監督がずっとベンチにいて指示を出す状況が作れないので、そこで分析部には協力してもらってます。メンバー交代の提案や戦術の部分を一緒に考えていて、最近はうまくバランスも取れるようになってきました。

最終決定権は監督ではあるのですが、チーム全員が一人一人意見を持って欲しい部分も含めて、意見交換やどうやったらチームが強くなるかの話し合いは頻繁に行っています。

 

-毎年選手兼監督という形を採用しているのですか?

昨年までは3年生になるタイミングで誰か1人が選手を止める決断をして、監督と代表を兼任するという形をとっていました。しかし、2年連続で2部昇格を果たせなかったこともあり、まだまだ物足りないというか、何としても選手として今年昇格を決めたいと思いが強かったんです。そこで今年は選手兼監督は長谷川、選手兼代表は自分という形になりました。

100チーム在籍する3部の内昇格は4チームという非常に厳しい部分もありますが、皆で日々高め合って頑張っています。

サッカーを愛する同じ大学生として

-サッカーサークルにどんな印象をお持ちですか?

サークルに所属している学生が同じアルバイト先にいて、案外レベルが高いとは聞いてます。高校生年代までそれなりにサッカーをやってきた人は勿論、いろいろな人が所属している印象です。
人数が多い分、真剣さや熱中度にばらつきが出てしまうと思いますが、どこでサッカーをやるにしてもどれだけ打ち込めるか、熱中できるか、周りを巻き込めるかが大切であるとグランスーマでの活動を通して感じています。

-最後になりますが、どんな学生がグランスーマに入って欲しいですか?

一番は運営に興味を持っている学生ですね。運営に携わっていく中で責任感や発信力が徐々についてくるのではと考えているのですが、そのような学生が多く集まれば絶対的なリーダーがいなくても、まとまりのあるチーム、そしてより高みを目指せるチームになっていけると思うんです。まずは練習参加でお待ちしています!

【今YouTube界で話題のWINNER’Sとも対戦】

グランスーマ各種リンク
HP:https://fc-gran-suma.com/
Instagram:https://www.instagram.com/fc_gran_suma/
Twitter:https://twitter.com/gran_suma

 

普段大学サッカーサークルの情報を発信している私たちBeYonDですが、同じサッカーを愛する大学生だからこそ、伝えられる部分があるのではないかと思い、今回のインタビューが実現しました。体育会サッカー部、大学サッカーサークル、社会人チームなどと大学生がサッカーを続ける選択肢は沢山あります。それぞれが選択した環境で胸を張ってサッカーを続けられるよう、今後もBeYonDは情報発信を続けていきます。

Written by

大田智輝

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