【マネの想いvol.1】 ”プレーヤー目線に立てるマネージャーでいるために”

BeYonD 編集部

大学サッカー同好会カテゴリーにおいてマネージャーは必要不可欠な存在である。また、マネージャーのあり方もチームによって大きく異なる。本企画は、様々なチームのマネージャーの想いをインタービュー形式で探っていきたい。

 

第一弾 慶應キッカーズ 田村咲歩さん

「プレイヤー目線に立てるマネージャーでいるために」

43022

 

−慶應キッカーズ(以下キッカーズ)に入ったきっかけを教えてください。
中学生の頃からサッカーが大好きで、高校3年生の受験の時期は、夕ご飯を家で食べるときに、やべっちFCとプレミアを見ている時間が生きがいだったくらい(笑)そのこともあり、ずっとサッカーのマネージャーをしたいと思っていて、私は試合や練習をサポートしたいと思っていたのでサークルを選びました。とりあえずと思ってキッカーズの説明会に行ったら、「本気で全国目指してます」って宣言してて、かっこいいなと思って即決しました。

 

−最後の1年をどのような思いで過ごしてきましたか?
1個上の先輩たちが最強すぎたので、自分たちの代になったときにプレーヤーは戦力ダウンに相当焦っていたように思います。キッカーズは練習が週2回で、グラウンドがとれなかったときはフットサル場でやることもあって、他のチームとチーム力に大きい差があると感じていたので、それを補うことはなんでもしようと思っていました。今までやってこなかったことや足りなかったことは気づいた瞬間にやろうと思っていました。思いつくことは全部やってきたつもりです。

42961

−例えばどのようなことをしたんでしょうか?
プレイヤー一人一人をしっかりと見て、求めていることを言われる前にやる。例えば「これ持ってきて!」とか(笑)あとはスタメンだけでなく、みんな見てますっていうのを伝えるために、みんなに声をかけてました。マネージャーに認知されてる。マネージャーに何かしてもらっているって感じた方がいいプレーができるんじゃないかなって思っていて。そういうことをやってきました。
最後の合宿では全学年の50人くらいのプレーヤーとマネージャーに手紙を書きました。私が1年のとき、2個上の代表に「これからキッカーズを引っ張って行ってください」ってメッセージをもらって、私はそれを何度も見て頑張ることができたんです。その先輩には及ばないけど、私の手紙をみてキッカーズに残ってくれる人が1人でも多かったらいいなと思って。

 

−お話を聞いてると、サークルに対する意識がマネージャーの域を超えていてすごいなって思います。
その点については自分でも意識していて、サッカーも好きだし、1番プレーヤー目線に立てるマネージャーでありたいと思ってました。私はキッカーズのムービーを作っているんですが、マネージャーが作るのは私が初めてなんです。「マネにプレーヤーの気持ちわかるわけない」と言われたこともあったんですけど、それがめっちゃ悔しくて・・・そうかもしれないけど、絶対伝えられることはあるはずだし、もっと1個1個の試合に対してどういう気持ちで臨むかっていうのを一人一人工夫したほうがいいんじゃないかなって思いました。あらゆる人の言ったことやプレーを汲み取ろうと意識しています。モチベーションムービーを作るとき、スタメンをリストアップして、今週の注目選手と、今週のチームを書いて、じゃあ今週はどういうコンセプトのムービーを作るかを考えてました。言葉にこだわって、マネ感を入れないことを意識して。ムービーは大事な試合の直前に見るものだから、何かが変わるかもしれないから。
実際プレーヤーにも、ムービーの言葉が的確だったから気持ちを整理して試合に臨めてたって言ってもらえたりしたので、よかったです。

42970

−後輩へ伝えたいことはありますか?
本当にもっとやりたい(笑)これからもプレーヤーはサッカーをやっていくんだろうけど、こんなにも足が壊れて死ぬくらいまで勝ちにいくのってないだろうから、それがすごいうらやましくて。あと1年も2年も現役で頑張り続けられたら、なんでもできる可能性があるってことを感じながらキッカーズで過ごしてほしいです。

 

−あなたにとってキッカーズとは?
大事な大事な居場所。守りたい場所。

42906

キッカーズを支え続けた3年間。田村さんはおそらく何が正解かわからない中で、もがきながら必死に駆け抜けてきただろう。そして、引退時にプレーヤーから言われた「さほがいたから頑張れた」の言葉を聞いて、ようやく自分のやってきたことに間違いはなかったと思えたのではないだろうか

サークルにおけるマネージャーという立場は、本当に難しい。やろうと思えばとことん、やらないと思えば何もしないことだってできる。そんな環境の中で、こんなにもプレイヤーのことを、チームのことを考えたマネージャーがいただろうか。キッカーズが強いキッカーズであるために支え続けた彼女のマネージャー像は、後輩へとこの先ずっと引き継がれていくだろう

Written by

BeYonD 編集部

beyond

BeYonD編集部です。

Keywords

Recommend

コラム 2017.11.12

【新関東リーグ2017・1部第6節ハイライト】稲穂の優勝は次節までお預け!より激化する残留争い!

11月11日、ZOZOPARK にて新関東リーグ2017 ・1部第6節が行われた。 リーグ戦も終盤に差し掛かり優勝争い・残留争いが一層過激となり見所の多い試合となった。 明治大学体同連サッカー…

read more 高橋佑輔
コラム 2017.08.07

【チームの根vol.6】”敏腕会計士” 立教大学サッカー愛好会 岩佐 顕三郎(4年=広島なぎさ)

立教大学の雄として、実力、そして周りが羨むほどの雰囲気を兼ね備える立教大サッカー愛好会(以下、立愛)。 今回は、立愛を会計長と言う一見地味な役職、マガジン杯の"Dキャプテン"としてチームを支えた男に…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.06.06

【BMOM57】河瀬雄哉(3年=高松)チームを救う2連続ビッグセーブ!頼れる守護神の駆け引きが稲穂を勝利に導く!

6月3日新関東カップ2連覇中の早稲田大学稲穂キッカーズ(以下:稲穂)は同校の早稲田大学FC.GUSTAと(以下:グスタ)と対戦した。 先週の日本大学法学部サッカー部戦では、爆発的な攻撃力を披露した稲…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.10.24

【新関東リーグ2017・2部B第1節、第2節】明治エスペランサが2連勝、昨年一部同士の対決は中大同好会が土壇場で追いつきドロー決着

第1節は直近のアットホームカップで強豪チームを倒し決勝まで駒を進めた日大法学部(以下日法)と昨年一部早稲田学内戦優勝のHUMAN F.C(以下HUMAN)が激突。雨でピッチが濡れ足を滑らす場面もあった…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.02.18

【新人戦1年生大会①】総集編

【優勝】 中央大学体同連フースバルクラブA 【総評】 2月7・8日に行われた新人戦1年生①は中央大学フースバル同士の決勝戦となり、圧倒的な層の厚さを見せつけ"フースバルの大会…

read more BeYonD 編集部
コラム 2018.12.20

新関東リーグ2018・1部 ベストイレブン

2018年11月17日、新関東リーグは中央大学フースバルクラブが圧倒的な強さを見せ無敗優勝を果たすという形で幕を閉じた。 中央フースバルは新関東カップに続く、2冠目となる。 BeYonD編集部は今…

read more BeYonD 編集部
コラム 2023.05.23

【新関東カップ注目選手記事vol.2】サッカーサークル界に名を知らしめるのは誰だ!?

みなさん、お疲れ様です!!新歓期が終わりだんだんと新関東カップに向けて動き出している時期で はないでしょうか? そこで今回は新関東カップで活躍するであろう注目選手を3名紹介していきます!今回紹介する…

read more 山崎夏果
コラム 2021.04.05

【新歓記事2021】vol.11日本大学サッカーサークル

【新歓記事2021】最終回は、日本大学の特集記事です! 学部ごとにキャンパスが異なる日本大学だからこそ、サークルごとにそれぞれの良さが出てますね! 新入生はぜひサークル選びの参考にしてもらえると嬉…

read more 大田智輝
コラム 2017.04.11

【新入生必見!同好会チームガイドvol.17】神奈川大学編

なんともいえない独特なマスコットキャラクター、JINくんとKANAちゃんでお馴染み、通称神大、神奈川大学のサッカーサークルのいくつかをご紹介します! お馴染んでないとの声が聞こえました。…

read more BeYonD 編集部
コラム 2017.03.16

【サッカーを仕事にするということvol.1】第一弾はアマチュアサッカーを支えるあの企業!

新企画、「サッカーを仕事にするということ」が始まります! プレーヤーとしてサッカーに関わることがすべてではなく、様々な形でサッカーに関わっている人にインタビューしていきたいと思います。 第一弾…

read more BeYonD 編集部

-PICKUP CIRCLE-