【新関東リーグ2018・1部第1節】技で競り勝った早稲田GUSTA!創設10年目にして早稲田稲穂から初勝利を飾る!!
BeYonD 編集部RESULTS
新関東リーグ2018・1部第1節
FC.GUSTA
稲穂キッカーズ
10月13日、一年間の集大成生となる新関東リーグが遂に始まった。1部初戦のカードは早稲田大学稲穂キッカーズ(以下:稲穂)と早稲田大学F C.GUSTA(以下:グスタ)。
昨年度王者の稲穂は直近の二年間で新関東リーグ負け知らず。他を圧倒するハイプレッシャーで試合の主導権を握り、サークル界屈指のスーパースター達による鮮やかな速攻で常勝軍団の地位を築き上げてきた。
対するグスタは今年で10年目となる新興サークルで、昨年度は史上初となる新関東1部残留を果たしたばかりだ。スタメンの大半が國學院久我山出身なことから小気味良いパスサッカーで色を出し、着実に力をつけているが、10年間の歴史で一度も稲穂に勝つことができていない。
そんな両チームが新関東1部をものにするべく、大事な大事な初戦がキックオフ。
早稲田稲穂スタメン
早稲田グスタスタメン
前半
まず、立ち上がりはグスタが8番升田(3年=専修大松戸)を中心に低い位置から丁寧に繋いでいく。
一方、稲穂は奪ったボールを前線のツートップ10番中島(2年=早大本庄)と47番山根(2年=湘南)にシンプルにロンングボールを蹴り込み、速攻を狙う。
ファーストチャンスは稲穂。5分、稲穂のゴールキックをグスタディフェンダーがヘディングで反らせてしまった所を稲穂70番シャバシュ(1年=暁星)が拾いペナルティエリアへ侵入。左で思い切りの良いシュートを放つもこれはポスト左をかすめ、ゴールには至らず。
これで勢いに乗った稲穂は77番梶原(2年=狛江)を中心としたディフェンスでグスタの攻撃を跳ね返しカウンターを仕掛ける。47番山根が右サイドを抜け出しディフェンスとキーパーの間に速いクロスを入れる。しかし、このボールをグスタキーパー55番樋口(3年=宮崎西)が適格な飛び出しでキャッチしピンチを防ぐ。
徐々に稲穂の推進力に押されペースを握られたグスタだが、少ない機会を10番安東(3年=國學院久我山)が高い個人技で打開を試みる。
25分、安東10番が中央でボールを確実に納め、右サイドへ展開。46番坂田(2年=県立浦和)が反応し絶妙なクロスをゴール前へ供給する。触ればゴールというボールが入るもこれには11番日高(3年=大分上野丘)、97番三橋(2年=國學院久我山)共にギリギリ届かず、少ないチャンスを活かすことはできなかった。
30分、稲穂10番中島が右サイドでタメを作りゴール前へ絶妙な浮き玉パス。後ろからかけあがった70番シャバシュが右足で合わせ、キーパー一歩も動けずゴールかと思われたが、このシュートはゴールポストに直撃。
両チーム共に得点のチャンスを迎えるも決めることはできず。このまま前半終了かと思われた33分。試合を動かしたのはエースの一振りだった。
グスタ10番安東が縦パスを受け、鋭いターンからドリブルで20メートルを独走。稲穂キーパーが足元を取られた所をシュートの判断に切り替え、ペナルティエリア手前から右足を振り抜く。キーパーも必死に反応するも対応が遅れ、シュートにはボール一個分届かず。グスタが誇るスーパーエースが値千金の先制ゴールを挙げ、ピッチ内外喜びを爆発させた。
稲穂のセカンド収集の早さと速攻に苦しんだグスタが最高の形で前半を折り返す。
後半
前半の稲穂優位の流れとは打って変わり、後半は先制点を挙げたグスタがペースを握り始める。
グスタは久我山仕込みのワンタッチツータッチプレーで稲穂を翻弄していく。
後半ファーストシュートは5分、得意の細いパス回しから00番大竹(3年=國學院久我山)がカットインから左足でシュートを放つなど積極的に追加点を狙っていく。
一方、先制を許した稲穂は1度のボール奪取から確実に相手のサイドバックの裏を付いていく。10番中島が引きつけた両サイドが飛び出しグスタサイドを攻略。ゴール前へ切れ込むことを試みるも、グスタ中盤のダイナモ9番高橋(3年=早大本庄)が驚異的なカバーリングを見せグスタゴール前への侵入を許さない。
両チーム長所を活かした攻撃を見せるもディフェンス陣が奮闘し、チャンスを作ることができず。
硬直した展開を打ち破ったのはまたしてもグスタ10番安東だった。左サイドでテンポの良いパス回しから安東がキーパーとディフェンスの間に絶妙なスルーパス。これに抜け出した00番大竹が落ち着いてキーパーをかわしにかかるもキーパーに倒されPKを獲得。高校時代からプレーを共にした久我山コンビが稲穂ディフェンス陣を切り裂いた。
これを11番日高が思い切り右足を振り抜き追加点。終始厳しいマークに遭い、なかなか持ち味を出せなかったキャプテンがしっかりと責任を果たした。
その後、追加点を挙げたグスタは持ち味を遺憾なく発揮する。前線からのプレッシャーと正確なパスワークでゲームを制圧。稲穂に反撃のスキを与えない。
2点を追う形となった稲穂はエース10番中島に奪ったボールを集めるも、グスタ20番関(2年=浦和レッズY)の落ち着いた対応の前にシュートを放つことができず。
決定的なチャンスを作ることができず、試合終了の笛が吹かれた。
この勝利でグスタは創設10年目の歴史上初めて目標としていた稲穂に勝利を収めることができた。
若いサークルながらここまでの躍進を遂げられたのはブレることなく毎年着実にチームとしての形を作り上げてきた結果だろう。キャプテンの日高は、「歴史を変えられて本当に嬉しい。ただ、まだ一節目で稲穂に勝つことができただけなのでここからまた気持ちを引き締めて頂点を狙っていきたい」と語る。
新関東リーグに新しい風を吹かし続けるグスタは一体どこまでいけるのか、今後、目が離せないチームの1つだ。
一方、敗れた稲穂はいつしか「勝つことが当たり前」と言われる中で、他チームとは比べものにならないようなプレッシャーの中で戦い続けてきたのであろう。今回3シーズンぶりに新関東リーグ1部で敗戦という形になったが、この事実から「これまでどれだけのチームが稲穂を倒すことに必死になってきたか」分かるだろう。
新関東リーグ2018は1節目を落としてしまう結果になったが、まだ黒星が一つ付いただけだ。ここからキャプテン近藤を中心にどういった形でチームを仕上げていき、残りの6試合で巻き返していくか期待したい。
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BeYonD 編集部
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